主張が強く、友達とよくぶつかります。どうやって協調性を養えばよいでしょうか。
◎日本人幼稚園より
子どもたちは身体の成長とともに、内面の「自分」を大きく成長させ、家庭や周囲の環境の中で「自我」を育んでいきます。
「主張が強くお友達とよくぶつかる」ということは、子どもたちが成長を通して自分の要求を実現しようと、他の友達の要求実現とぶつかり合っている状況でしょう。子どもたちは成長の中でどのようにして「協調性」や「社会性」を獲得していくのでしょう。
保育者は「遊び」を通して社会性の発達を促すために「集団遊び」ができるよう環境設定を行います。最初の段階から上手に遊べるお子さんもいますが、多くの場合はお互いの要求・主張がぶつかり合いトラブルが発生します。その時保育者は次の事に注意して取り組みます。
第一は、「watch」(見極める)です。問題が起こっている状況や子ども同士の関係をきちんと把握します。
第二は、「信頼感」に基づく声かけです。保育者はまず子どもがあるがままの自分を受け入れてくれると感じるよう「信頼感」の構築を目指しています。こうした子どもとの「信頼感」に基づき、問題を起こした子どもに原因を説明し、どうすればお互いに良い関係を作れるかを働きかけます。
第三は、日常の生活で子ども同士が協力して何かに取り組んだ際、その素晴らしさに気付けるよう「評価」(価値づけ)をします。相手の話をよく聞き気持ちを受け止めること、困っているお友達を助けたこと等をしっかり認めることで「自分の行動」の素晴らしさに気付き、満足感を得られるように働きかけます。
こうした保育者の評価により子どもは自分自身や自分の行動に自信を持つことができるようになります。このような取り組みを通して、子どもたちは「社会性」を身につけ自信をつけていくのです。ご家庭での子育てにおいても是非実践して頂きたい大切な視点だと思います。
◎Thinking Box @ Tanglinより
お子さんの自己主張が強すぎる場合、ご両親やまわりの大人達がその傾向を助長している可能性もあります 。しつけに寛大すぎる大人達が周りにいることで、子供達は何でも自分の思い通りになると勘違いしてしまうからです。大人達が子供にあまくなってしまう理由には、しつけに関する誤解があります。「しつけに厳しすぎると、子供がなつかなくなるのでは?」という恐れや、「何をしたって、子供は言うことを聞くはずがない」という諦めです。しつけとは、そもそも、ただ声を荒げて、執拗に繰り返すものではありません。例外をつくらずその都度一定のルールのもと、「賢く」子供に接する。それが、しつけのルールです。
効果的な方法として第一に、親が子供達のボスであることに気づかせ、確固とした態度をとることです。第二に、兄弟姉妹でのルールの違いや、父親と母親でしつけに差がないように一貫性を意識すること。第三に、具体的なごっこ遊びで、よい行動パターンを経験させましょう。例えば、子供が他のお友達と物をシェアできない場合には、ご家庭で物をシェアするごっこ遊びをして、その大切さを子供のわかる言葉で理解させます。最後に、子供の話にはできるだけ耳を傾けてあげましょう。親の注意をひきたいがために、大きな声で叫んだり、過度に困らせるような行動をとることがあるからです。
色々な子育て論が世の中にはあふれていますが、それを親として実行しているかと聞かれれば、なかなか難しいだろうと思います。でも、子達たちの今から10年後の思春期を想像して下さい。今、幼児のうちに賢く正しい対応をすることが、その子のためにも、親のためにも大切なことだと思います。