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生理痛

日本メディカルケアー ジョアナ リム 医師
生理痛について教えてください

◆ 生理痛って何ですか?

 生理痛は、生理が始まってから数日間に下腹部に起こる痛みです。人によっては、吐き気、嘔吐、下痢、めまいなどを伴います。

◆ 生理痛の原因は何ですか?

 50%以上の女性(10代の女子を含む)が生理期間に痛みを感じます。生理痛は、子宮の筋肉が強く収縮することで起こります。子宮の収縮は生理による出血を膣から押し出す役割を果たします。初潮から1 ~2年は通常痛みがありません。そして、排卵(卵巣から卵子が放出されること)が始まると、血液中のプロゲステロン(女性ホルモンの一つ)の量が増え、より強い収縮と痛みにつながります。生理痛は月経期間に通常見られる症状なので、あまり心配する必要はありません。

◆ 痛みが続く期間はどのくらいですか?

 痛みは通常、毎月の生理で起こり、約2、3日間続きます。また痛みの度合いは不快感を感じる程度から激しい痛みまでさまざまです。痛みを和らげるためにできることはいくつかありますが、薬を飲むのも一つの方法です。生理痛用の鎮痛剤は何種類かあります。また、生理痛の原因である子宮の収縮は、最初の妊娠と出産によって子宮が伸びることで、出産後に生理痛が無くなることもあります。

◆ どのようなケアが必要ですか?

〈鎮痛剤の使用〉
 非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェン、またはナプロキセン)は生理痛に非常に有効です。痛みを和らげるだけでなく、子宮の収縮を抑える働きもあります。痛みが始まるのを待つのではなく、生理の出血が始まってすぐ、可能であれば一日前に飲み始めましょう。イブプロフェン、またはナプロキセンは、日常生活を普通におくれるように痛みを和らげます。ただし、この二つの薬の併用はやめましょう。
 この2種類の薬がない場合は、アセトアミノフェンまたはパラセタモールも使用できます。これらは店頭で購入できます。しかし、これらの薬へのアレルギーがある人は使用を避けましょう。

〈暖める〉
 温感パッドや暖かいタオルを痛みのある部分に当てると痛みの緩和に役立ちます。ぬるめのお風呂に1日に2回、各20分ほどつかるのも痛みを和らげるのに有効です。

〈悪化要因を減らす〉
 疲れやイライラを感じる場合、痛みはさらに強く感じられることがあります。生理期間中の疲れすぎや寝不足は避けましょう。苦痛や不安感を感じたら、誰かにそのことを話してみましょう。

〈生理痛のあるときの活動〉
 生理痛があるからといって、学校や仕事を休んだり、活動を控える必要はありません。薬を飲んでも痛みがあり、日常生活に支障がある場合は、医師に相談しましょう。

〈よくある誤り〉
 よくある誤りは、痛みが強い時に寝込んでしまうことです。忙しく過ごす人
は、通常痛みの感じ方が少ないです。生理期間の活動制限は一切ありませんの
で、登校、体育や部活動への参加、ジムでの運動、シャワー、入浴、洗髪、外出も可能です。

◆ 痛み方が異常なときはどうすればよいですか?

 もし10代の娘さんが生理期間に日常生活に支障をきたすほどの痛みを訴えるときは、保護者の方はお子さんに婦人科での検査を受けさせましょう。検査ではその痛みが生理痛以外の要因であるかどうかを診断します。激しい痛みの原因は、骨盤内感染症、子宮腺筋腫、子宮内膜症など様々な要因が考えられます。しかし10代の女子が罹患するのはまれです。

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