海外子育て・体験記・生活情報
海外子育て体験記 ニホンプレミアムクリニック 助産師 クリニックエグゼクティブ 石井 磨里子さん

「海外だからできなかった」をつくらない 
 ~香港・シンガポールで育てた二人の息子とともに~

ニホンプレミアムクリニック 助産師 クリニックエグゼクティブ
石井 磨里子さん

海外での子育ては選択肢が多い分、学校選びや言語環境、学習サポートやその後の進路など迷いも尽きないことでしょう。  香港・シンガポールで子育てをしながら、長男は日本の国立医学部へ、次男は海外でプロを視野にサッカーに打ち込んでいる石井さんに、海外という環境をどう教育に生かしたのか、お話を伺いました。

Q 海外で子育てをする上で、一番心掛けたことは何ですか。

私は日本を発つ前から仕事を持っていたので、当時では珍しく、海外でも働きながら子育てをしていました。そのため限られた時間の中で、子どもには「海外を理由にできなかったという何かを作らないように」と、常に本人のやりたいことを尊重しながら環境作りを心がけました。 

もう一つ大切にしていたのは、文化や宗教の違いに壁をつくらない姿勢です。語学力以上に「相手が何を考えているのかを聞こうとする姿勢」が、どこの国でも生きていける力になると確信していました。習いごとではあえてローカルの水泳やサッカーに参加し、日本的な「先生と生徒」という関係だけでなく対等に意見を交わせるコミュニケーションを体感させました。今では息子は、国籍に関係なく自然に関われる大学生に育っています。

Q 学習面ではどのようなサポートをしましたか。

長男は小学校1年生の頃から「医師になりたい」という目標がありました。そこで私は、夢を実現できる「学習環境を整える」ことに徹しました。日本の大学受験、しかも最難関の学部に挑むとなると、やはり日本語を第一言語にすべきだと考え日本人学校を選びました。また長期戦でも完走できるよう、小学生の間は塾には行かせず読書や遊び、スポーツなどに打ち込んで「心と体を育てる時期」に充てました。中学から本格的に受験を意識し、塾に通い始めました。高校は母子で一旦帰国し、日本で医学部進学実績のある高校に通いました。

「得意を伸ばす」ことも大切にしていました。長男 が得意だった数学については弱点と強みをよく観察し、塾や学校の先生と共有して学年を超えた難問にも挑戦させてもらうなど工夫しました。結果的に、大学受験では大きな武器になったと思います。

次男は幼少期から学習言語が英語だったため、一貫してインターナショナルスクールを選択しました。家では日本語を徹底し、日本語塾にも通わせ二言語の維持・向上を意識しました。兄弟といえども個々の子どもによって必要な環境はまったく違うと実感し、最適な環境作りを目指しました。

Q 生活面では、息子さんたちにどのように伴走しましたか。 

大切にしてきたのは「習慣」と「愛情表現」です。  学校から帰ったら宿題をしてから遊ぶ、十分な睡眠時間を確保するという「生活のリズム」を整えました。特別なことではありませんが、毎日続け習慣化することで中学以降の学習姿勢につながったと思います。

そして何より、子どもに愛情を言葉で伝えるよう努めました。スポーツでも学習でも、次に向かう力が湧いてくるのは「心の安定」があってこそでしょう。愛されているという実感は、まさに情緒の安定と自己肯定感につながります。親御さんの愛情を感じることで、お子さまは「自分は大丈夫」と思える心の土台を育てることができるのです。 

当然のことながら父親の役割は改めて大きいと実感しています。子どもが小さいときは一緒に遊んであげ、大学受験では9割の相談ごとは夫が応じていました。 

Q 海外で子育てをされるご家族にメッセージをお願いします。

親御さんも、まずはご自身の「心と体のメンテナンス」を大切にしていただきたいです。海外生活は、キャリアの中断や新しい環境などにより思っている以上にストレスがかかるものです。親が元気でいなければ、子どもを支えることはできません。

そして海外だからこそできる経験を、ぜひ親御さんご自身も楽しんでください、とお伝えします。海外では、とかくお子さまの教育だけに意識が向きがちですが、親御さん自身も、現地でしかできない挑戦をし、心の健康を保っていただきたいと思います。私自身も、長男が日本の高校に通った3年間に、長年目指していた修士(看護学)の学位を取得するため大学院に通いました。親自身が学び続ける姿勢も、子どもへのメッセージになるのだと思います。そしてご自身が何かに迷ったときは、一人で抱え込まず先輩を頼ってください。周囲には案外、同じような悩みを抱える方がいらっしゃるものです。

海外での子育ては不安も多いですが、正しく環境を整えれば大きな可能性に変えることができると信じています。海外だから「できない」のではなく、海外だから「できる」という視点で、一日一日を積み重ねていただきたいと思います。

2026年3月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

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