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「バイリンガル」 の育ち方~大切な母語の発達~

学習塾KOMABA 
石川 晋太郎 塾長 

テストや教材の出来だけでは測れない「言葉の発達」   

幼児から高校生まで、海外で生活する子どもたちに国語科で指導する中で「言語の発達は成績でだけでは測りえない」という思いを、年々強くしています。それは日本語が母語である場合、その発達が子どもの「心の成長」と深く結びついていると感じるからです。母語は単に学力を支える道具にとどまらず、「人格形成の土台でもある」と私たちは考えています。  

思考や感情・人格形成の基盤となる「母語」    

私たち日本人は「母語」と「母国語」の違いをあまり意識する機会がないと言われています。調べてみると、母語とは「その人が最初に自然に身につけた言語であり、思考や感情、人格形成の基盤となるもの」とされています。一方、母国語とは「その人の国(国籍や社会)における代表的な言語」で「教育や行政、法律などで用いられる共通語」を指します。  
例えば、シンガポールではビジネスや社会生活の多くの場面で英語が使われる一方、家庭では中華系の方は中国語、マレー系の方はマレー語が用いられています。シンガポール人の友人に家庭での言語について尋ねたところ「母語の方が感情をストレートに表現でき、安心できるから」と話してくれました。   
ここで、私たちは改めて考える必要があります。乳幼児期に母語として日本語の「根」が育った子どもたちが、インターナショナルスクールに通う中で日本語の成長が止まってしまったら何が起こるのでしょうか。その子の内面に、周囲からは気づけない不安や発達の遅れが生じる可能性は否定できません。「自分の感情を表現するに十分な語彙」を身につけ、「安心してコミュニケーションできるだけの言語能力」を育むこと、それが何より重要なのです。  

思考力だけでなく 「心の成長」 に目を向ける    

思考が言語によって支えられていることに、異論は少ないでしょう。言葉がうまく出てこない、表現の仕方が分からないという状態が続けば、子どもたちは自分の感情との向き合う術を見失い、家庭や学校、さらには社会生活そのものを円滑に営むことが難しくなるかもしれません。   子どもたちが将来、グローバル社会で活躍し、貢献できる力を身につけるために、英語力を高めることが重要であることは間違いありません。しかし同時に、「母語である日本語の発達が心の成長を支える」という視点を忘れずに、子どもたちの未来を考えていきたいものです。

2026年4月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

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