異国の地から目指した獣医師への道

麻布大学2年 獣医学部 鈴木 彩純さん
012~16年(06~10歳) Cairo American College(CAC)
0016~18年(10~12歳) 日本 公立小学校
0018~24年 成蹊中学校・成蹊高等学校
海外在住歴
エジプト
▼
日本
海外で育んだチャレンジ精神
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私が親の海外赴任で引っ越したのは小学一年生の時でした。言葉が通じず不安な気持ちの中、多国籍の生徒が集まる学校に通い、毎日が驚きと発見の連続でした。当初は同級生に身振り手振りでアプローチし、少人数の英語補習クラスに参加しながら英語力をつけていきました。
日々の授業では、積極的に意見を出し合うディスカッションが中心だったため、私自身も意見を躊躇なく発信できるようになりました。学校生活で特に印象的だったのは、「タレントショー」です。これはオーディションに受かった生徒が舞台でパフォーマンスをするイベントで、私は日本人の同級生とマンマ・ミーアの曲に合わせてフラフープや体操を披露しました。パフォーマンスを褒められたことは、自分の殻に閉じこもらず新天地でも前向きに頑張ることが報われた瞬間でした。
私の将来を決定づける出会いもありました。それは、エジプトで出会ったさまざまな動物たちです。路上で野良犬や野良猫が粗末に扱われている様子や、人生で初めて食用として売られる羊やヤギの姿も目の当たりにしました。動物の命の重さについて考えさせられ、「大切な命に関わりたい」という気持ちと、犬や猫への愛情もあり、獣医師を志すようになりました。
「国際学級」がある成蹊中学校へ
帰国後に帰国生枠で受験ができる共学校を探していたところ、「国際学級」で歴史が長い成蹊中学校に巡り合いました。受験対策では、特に数学を強化する必要があり、家庭教師の先生と過去問を繰り返し解き、国語は一般受験用の塾で対策しました。英語は帰国子女専門塾で読解力と要約する力を徹底的に鍛え、無事に合格することができました。中学1年生の担任はイギリス人の先生で、英語でのホームルームや高度な英語授業もあり、海外の雰囲気を感じながら楽しく過ごすことができました。その後の英語の授業は習熟度別に3クラスに分かれていたため、常に高みを目指して学ぶことができたと感じています。
充実した学校生活

成蹊で良かった点は、緑の多いキャンパスにテニスコートやラグビー場、プールなどの充実した施設があり、勉強も熱心ながら部活動や学校行事も充実している点です。私は小学1年から始めたテニスを帰国後も続け、中学ではテニス部に所属していました。週3回、大会があれば土日にも厳しい練習に取り組み、全国選抜大会に出場することができました。また、高校では文化祭実行員になり、コロナが完全に終息していない中でさまざまな問題を解決しつつ、初の試みにも挑みながら文化祭を無事成功させることができました。
大学進学においては、成蹊には多くの大学推薦枠があったため、私も推薦入試を目指しました。獣医科の大学を志望した私は、担任の先生に面接の練習をしていただいたり、国語の先生に小論文を何度も添削していただいたりしました。また、生物科の先生に獣医科独特の面接問題の対策をしていただくなど、実に多くの先生に助けていただき、試験当日も自信を持って臨むことができました。今でもとても感謝しています。
現在の大学生活・将来の夢
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晴れて大学の獣医科に入学し、1年生から馬や牛、豚に触れ合える機会もあり夢に向かって充実した日々を送っています。将来は獣医師として、動物の殺処分の問題をどのようにゼロに近づけるか解決策を探りたいと思います。また、発展途上国ではまだ動物の命が粗末に扱われているため、医療が行き届いていない国で獣医師として少しでも動物の命を救えるように挑戦したいと思います。海外経験があるからこそできることに取り組み、貢献したいと考えています。
海外で生活している子どもたち、ご家族へのメッセージ
海外では、言語だけでなく考え方の違い、さまざまな料理や多彩な文化に触れることができ、唯一無二の学びになると思います。その土地で出会った友だちを大切に、そのチャンスを宝物としてください。私は今でも当時の友人と連絡を取る機会があります。そして海外に滞在していたという貴重な経験と英語力は、その後皆さんを何度も救うことになると思います。今の経験が将来に生かされることを信じて、精一杯楽しんでください!
2025年7月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。