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シンガポールと日本の予防接種の違い

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Kids' Health~お子さまの健康維持について~
<シンガポールと日本の予防接種の違い>

シンガポールの予防接種について戸惑うことはありませんか。
シンガポールと日本の予防接種の違いについてお聞きしました。

シンガポールと日本の予防接種の違い

シンガポール日本人会クリニック 仲山 佑果 先生

Q 日本で推奨されている小児の予防接種は?

A 14の疾患※が小児定期接種の対象です。
日本では、現在14の疾患※が小児定期接種の対象となっています。ロタウイルスは、2020年10月より任意接種から定期接種となりました。1993年4月までムンプスは定期接種として実施されていましたが、副反応の報告により、現在は任意接種となりました。ただし、合併症予防・不妊症予防の為にムンプスに対する予防接種は現在も引き続き推奨されています。
※B型肝炎・ロタウイルス・インフルエンザ菌b型・小児肺炎球菌・ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・結核・麻疹・風疹・水痘・日本脳炎・ヒトパピローマウイルス

シンガポールと日本の予防接種の違い

Q シンガポールで推奨されているワクチンは?

A ジフテリア・麻疹のワクチン接種が法律で定められています。
シンガポールでは、ジフテリアと麻疹のワクチンが小児の義務接種となっており、法律で定められている点が日本と大きく異なります。日本の14疾患の小児定期接種のうち、日本脳炎とロタウイルスの2疾患はシンガポールでは任意接種ですが、それ以外の12疾患は小児定期接種となります。
水痘は、シンガポールでも2020年11月より小児の定期予防接種に組み込まれました。一方、ムンプスは、前述のように日本で任意接種となりましたが、シンガポールでは麻疹・風疹・ムンプスの混合ワクチンを定期接種することが一般的です。日本では任意接種のインフルエンザとムンプス、シンガポールでは定期接種に含まれない日本脳炎とロタウイルスについては、シンガポール滞在中も接種をおすすめします。

シンガポールと日本の予防接種の違い

Q 成人の予防接種に関する違いは?

A シンガポールでは、肺炎球菌だけでなくTdapの接種もおすすめしています。
肺炎球菌(PCV13とPPSV23の2種類)の接種が、65歳以上の方や基礎疾患のある方に対し日本とシンガポールで推奨されています。ただし、日本では現在PPSV23は定期接種、 PCV13は任意接種となっています。
Tdap(ジフテリア、破傷風、百日咳混合ワクチン)は、シンガポールでは妊婦の方に接種がすすめられていますが日本では実施していません。百日咳は、成人の流行が近年日本で問題となっています。乳幼児期に接種しても成人になって免疫効果が低下するため、成人になってから再度の接種をおすすめします。また、日本では、帯状疱疹ワクチンが2016年3月から50歳以上の帯状疱疹予防として任意接種が可能となりました。

以上の点を踏まえ、最新の情報を入手し、ご自身・ご家族・社会のために予防接種を接種していきましょう。


お子さまの健康維持や心のケアが気になりながらも、実際に病院を受診する機会は少ない、という方もいらっしゃることでしょう。
Springでは、日系及び日本語で相談できる病院・クリニック・歯科の先生方にご協力いただき、当地での健康維持に役立つアドバイスをいただきました。
連載でご紹介しています。

海外で生活を送るご家族の皆さまが安心して過ごせますよう、今号では「シンガポールと日本の予防接種の違い」についてご紹介しています。

 

※2022年4月24日現在の情報です。最新情報は各機関に直接ご確認ください。

 

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