学校・幼稚園コラム
第46回 高い学習到達度を誇るシンガポール

シンガポール公立学校の広場

世界81カ国で15歳の生徒たちを対象に実施した学習到達度調査(PISA)の結果が発表されました。2022年に実施されたこの最新の調査で、シンガポールは「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野すべてにおいて世界で1位となりました(日本は順に3位、5位、2位)。コロナ禍の最中に行われた調査だっただけに、参加できなかった国や成績を落とした国も多かった中、シンガポール教育省は「我が国の教育制度のレジリエンス(困難をしなやかに乗り越える力)の高さを示している」とコメントし、「コロナの中でも献身的に生徒たちの教育と健康のために尽力し続けた教師たちの貢献の成果だ」と評しました。またOECDの担当者も「コロナの教育への影響が見られなかった、数少ない国の一つ」としてシンガポールに触れ、高い学習到達度の要因として「より少ない科目をより深く学ぶ教育」、またそれを可能にする「学習カリキュラムの連続性・一貫性」を挙げました。

一方で、シンガポールの生徒たちは「親からあまりサポートしてもらえていない」と感じていたり、放課後に体を動かす生徒が少ないといった課題も指摘されました。また、家庭の収入などの社会経済文化的水準(ESCS)の低い生徒もOECD平均を上回る成績をだったことが評価された一方で、ESCSが異なる生徒間の成績の差は日本と比べて大きく、塾や家庭教師など学校外の教育費の高さが反映されているようです。

2024年4月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

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