新型コロナウィルス感染症流行や世界各地で起こる紛争問題、SDGsなど、現代社会が抱える問題はますます複雑化しています。これらは一つの専門分野だけで解決することは難しく、今後は学術的レベルでの幅広い知識や思考力、多様な視点を持つことが求められると考えられています。
学生の可能性を狭めることなく、科目・分野の垣根を超えて幅広い教養が身に付く「リベラルアーツ」教育は、日本でも昨今注目を集めています。
Springでは昨年に引き続き、「リベラルアーツ」の概要や日本の大学の取り組み、世界の「リベラルアーツ」についてご紹介します。
◆ 「リベラルアーツ」とは?
「リベラルアーツ」はラテン語「Artes Liberales」を語源としており「国家・政治からの影響を受けず、自由で制限のない教育」という意味があります。古代ギリシャを発祥に、欧州の大学へその学びは引き継がれ、17世紀頃には米国にも伝播しました。
◆ 日本の大学における「リベラルアーツ」
日本の大学は、大学入学時から学部を決めて専門分野を学ぶ形が主流でしたが、戦後「リベラルアーツ」教育を専門とする大学が開設されたり、1・2年次で「リベラルアーツ」教育を受けた後に専門を極めていく大学も増えてきました。また、最近では専門と「リベラルアーツ」の学びを4年間並行して履修できる大学も存在しています。
「リベラルアーツ」は一般的に「教養」と訳されますが、日本の大学で広く展開されている「一般教養」とは異なります。科目・分野の垣根を超えた「学び方」であり、各分野を関連づける「思考プロセス」を学ぶ学問であると言えます。大学卒業後どのように社会に関わっていきたいのか、その志向から学びの道筋を多様な選択肢の中から選択できるのです。
日本の主な大学リスト(50音順)
※2022年11月現在、Spring調べ。
◆ 世界の潮流:アジアの「リベラルアーツ」
2022年7月、新たに「NUS College」が設立
これまでアジアの「リベラルアーツ」を代表する存在であったYale-NUS(米国の名門イエール大学(Yale University)とシンガポール国立大学(NUS)が共同で運営)は、2025年に閉鎖されることが決定し、すでに新入生の受け入れを終了しています。その一方でNUSは、2022年7月、特に優秀な成績を収める学生(Honours)が学ぶ、「NUS College」を新たに設立しました。初年度である22年度は世界各国から約400名の学生が在籍しています。
NUS Collegeは「リベラルアーツ・カレッジ」ではないものの全寮制で学問に集中できる環境であることや、少人数授業によるきめ細やかなサポートなど、「リベラルアーツ」における教育基盤を備え、さまざまな専攻分野を追究する大学です。これまでNUSで提供されたアカデミックプログラム(University Scholars Programme)とYale-NUSでの経験や実績を融合させ、専攻分野は「コンピューターサイエンス」「人文科学」「工学」「法律」など、実に50以上に上り、シンガポール国外への留学の道も開かれます。
今後もシンガポールにおける「リベラルアーツ」教育は、ますます発展していくことでしょう。
NUS Collegeについて
詳細はこちらhttps://nuscollege.nus.edu.sg/
取材協力・画像提供: シンガポール国立大学(NUS)
「リベラルアーツ教育」を提供する大学に聞きました。
<国公立大学>
筑波大学
画像提供:筑波大学
学部
全学群、総合学域群
本学は、開学当初から「教養課程」と「専門課程」を区分していません。教養教育と各学群・学類における専門教育を有機的に連携させ、必要なタイミングでどちらの学修もできる自由度の高い教育課程を編成しています。
特徴
● 共通科目の「総合科目」により、さまざまな学問分野への造詣や社会汎用的な問題を学問分野に還元してゆく視座を醸成するとともに、自らの専門以外の科目の履修を促すしくみを全学的に組み込んでいます。
● 自分の専門分野だけでなくさまざまな分野を体系的に学べるように、高校卒業程度の知識を前提とした「専門導入科目」を開設しています(すべての学類・専門学群からさまざまな科目が提供されています)。専門導入科目を足がかりとして、自分の専門分野以外のさまざまな科目を「関連科目」として履修できます。
入試形式・出願/入試時期
学校推薦型選抜、一般選抜、総合型選抜(AC入試等)、グローバル選抜(IB特別入試等)
出願:学校推薦型選抜 11月、一般選抜1~2月
入試:学校推薦型選抜 11月、一般選抜2~3月
※総合型選抜・グローバル選抜の詳細はWebサイトをご参照ください。
参 照:https://www.tsukuba.ac.jp/admission/index.html
<<大学からのメッセージ>>
国内最大規模の広さを誇るキャンパスは、東京から45分と近距離でありながら、都会の喧騒とは無縁の場所にあり、自由にじっくりと考え、創造力を育て、表現力を養える環境です。
開かれた大学として国際性豊かなキャンパスライフを実現するため、奨学金や多言語対応のカウンセリング提供、日本人学生と外国人留学生の交流機会創出など、多岐にわたる学生支援をしています。筑波キャンパスでお会いしましょう。
東北大学
画像提供:東北大学
学部
全学部
初年次から高年次、大学院学生に開かれた「全学教育科目」で、普遍的教養から現代的
素養まで幅広く提供。
※本学ではリベラルアーツ関連学位を取得できません。
特徴
● 初年次に文系・理系混合クラスで“学問:学び 問う” 経験 を培う。
● 情報教育、国際教育、キャリア教育、地球規模課題からなる「現代素養科目群」で、現代的知識技能に関する文理・分野横断型の授業を実施。意欲ある学生に複数科目を組み合わせたプログラム「挑創カレッジ」を提供(コンピュテーショナル・データサイエンス・プログラム、グローバルリーダー育成プログラムなど)、修了者には国際技 術標準規格のデジタル証明書「オープンバッジ」を発行。
写真提供:東北大学
入試形式・出願/入試時期
一般選抜、総合型選抜、特別選抜(国際バカロレア入試、帰国生徒入試、グローバル入試Ⅰ期・Ⅱ期 等)
※対象学部や出願・入試の時期は以下のURLを参照
参 照:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/exam/exam/
<<大学からのメッセージ>>
異なる専門分野との協働は、新しい知を創造する第一歩として非常に重要です。皆さんには、未来社会に立ち向かう基盤として、学問を広く捉えるマクロな視点、関連する専門分野を組み合わせるメソな視点、ある専門分野を追求するミクロな視点の各スケールで物ごとを見つめる視野と知識を備えていただきたいと考えています。大変革時代の社会を世界的視野 で牽引するリーダーを目指す皆さんを、本学は教育・研究面から応援します。
東京工業大学
画像提供:東京工業大学
学部
全学部。
「教養コア学修科目」として、自己発見と動機付けを行う東工大立志プロジェクト、志をもとに将来展望を描く5,000~10,000字程度の文章を書き上げる教養卒論、リーダーシップ道場(修士課程)、学生プロデュース科目(博士後期課程)。
※本学ではリベラルアーツ関連学位を取得できません。
特徴
● 学士課程から博士後期課程まで、専門分野を軸として東工大流のリベラルアーツ必修科目を学ぶ。
●「社会性」「人間性」「創造性」を兼ね備えた「志」ある学生の育成。
● 正解を探すのではなく、自らの人生への問いを立てることを学ぶ。
入試形式・出願/入試時期
一般選抜(前期日程)、学校推薦型選抜、総合型選抜など
出願 : 推薦・AO12月、一般1~2月
入試 : 2月
参 照:https://admissions.titech.ac.jp/admissions/admission/admission/date
<<大学からのメッセージ>>
海外生の皆さんには、日本在住の日本人が普段経験していないであろう、世界各国で感じていること、それを日々克服していることに敬意を表します。違いがあることを理解できることは、将来皆さんが日本もしくは世界各地で活躍するうえで非常に大切だと思います。本学で強調していることは、どの局面においても「多様性」を重んじようということ、そして人種や宗教・文化などの「多様性」を受け入れる「寛容性」を持ち、多様性の中で切磋琢磨するため「協調性」を身につけることです。皆さんにもこのキーワードを意識して、本学に多様な視点と発想をもたらしていただきたいと思います。
東京大学(教養学部)
画像提供:東京大学 駒場Iキャンパス
学部
教養学部
1~2年次(教養学部前期課程)は東京大学全入学者対象:リベラルアーツの基礎科目(文化系・理科)と総合科目、主題科目、展開科目。
3年次から教養学部に進学した者対象:文系学科:教養学科、文理融合学科:学際科学科、理系学科:統合自然科学科など。
特徴
● 日本の総合大学では唯一、すべての学生が1・2年次に教養学部に属してリベラルアーツを学び、そのうえで進学先の学部を決定。さらにリベラルアーツを深めたい場合は、教養学部後期課程に進学。
● 1年次から第一線で活躍する研究者が直接講義を担当し、最先端の知に早い段階から触れることができる。
● グローバル社会をリードする人材を育成するための制度を整備「グローバルリーダー育成プログラム」「トライリンガル・プログラム」など)。
入試形式・出願/入試時期
一般選抜 出願:1、2月 入試:2月
学校推薦型選抜 出願:11月 入試:12月
外国学校卒業者特別選考 出願:11月(第2種)、12月(第1種) 入試:2、3月
参 照:https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/index.html
<<学部からのメッセージ>>
科学技術のめざましい発展の一方で、環境問題や地域間格差、社会や経済の不安定化など、ローカルな問題ならびにグローバルな問題が今日の世界では山積みです。本学教養学部では、リベラルアーツの教育理念・研究理念に基づき、「越境する知性」の実践を目指しつつ、これらの諸課題を見据えた知見を学ぶ教育研究体制を整えています。そのためには多様な学生がともに切磋琢磨する必 要がありますので、世界各国から多様な学生が集まることを願っています。
◆世界の潮流:米国「リベラルアーツカレッジ」とは
米国の4年制大学には「リベラルアーツカレッジ(Liberal Arts College)」と呼ばれる単科大学と、総合大学(Research University)があります。総合大学でも専門分野を学ぶ前に2年間「リベラルアーツ」を学ぶことが一般的です。
リベラルアーツカレッジ(Liberal Arts College)の主な特徴
● 立地 : 大都市ではなく、郊外や地方に位置している
● 小規模 : 全学生数が2,000人程度
● 大学院がない : 多くの教授が研究ではなく、教育に重点をおいている
● 多くが全寮制 :「共同生活で一生の友情を築く」「生活力を養う」「勉強に集中する」という考え
● 多様性 : 世界各地から人種・宗教・家庭環境の異なる学生が在籍
世界の紛争やニュースを、身近な問題として認識できる
リベラルアーツカレッジ卒業後の進路は?
● 米国内の大学院に進学(40%)
● テクノロジー関連会社への就職(25%)
● 米国系経営コンサルティング会社への就職(20%)
※参照:グルー・バンクロフト基金ウェブサイト 直近10年間のデータより
画像提供:グルー・バンクロフト基金
グルー・バンクロフト基金※
執行理事 足立 淳一郎氏
「現代社会は変化のスピードが 速く、常に多様な情報・考え方を吸収する必要があり、そのためには、学びの方法や習慣が身に付いていることが大切です。「何を学ぶか」より「誰と誰から学ぶか」が重要であり、アメリカの「リベラルアーツカレッジ」はそれを実現するシステムと言えるでしょう。」
※日本の高校卒業生による米国留学支援を目的に設立された公益財団法人。設立以来90年以上、これまで200名強の学生を米国のリベラルアーツ大学に派遣。
<私立大学>
国際基督教大学(ICU)
画像提供:国際基督教大学(ICU)
学部
教養学部(1学部制)
メジャー(専修分野)として31分野:「文学」「言語学」「物理学」「心理学」など伝統的な学問分野から、「アジア研究」「開発研究」「環境研究」など地域研究型や問題解決型の学際的な分野まで。
特徴
● 日本初の4年制リベラルアーツ・カレッジとして、文系・理系の垣根を超え、人文科学、社会科学、自然科学にわたる幅広い学びを実践し、自身の専門性を深めていく。
● 少人数教育。教員一人当たりの学生数は1:18。多くの授業が講義形式ではなく、グループワークやディスカッションが中心となり、授業は日英バイリンガル。日英両語の運用能力が全学生に求められる。
● 多様性。学生の出身国は50以上の国・地域にも及び、異なる文化、関心、価値観を受容しながらともに学ぶ環境。
入試形式・出願/入試時期
主に外国の教育制度で学んだ方を対象(ユニヴァーサル・アドミッションズ)
● 4月入学帰国生入学試験
※日本語による選考
出願:8月
第一次選考:書類選考、第二次選考:オンライン個人面接(9月)
● English Language Based Admissions(April/September Entry)
※英語による書類選考、学科試験/面接なし
出願: April Entry:10月
September Entry:1期:1月、2期:2~3月
参 照:https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/
<<大学からのメッセージ>>
自分と異なる価値観の人々や異文化に触れられるというだけでなく、「世界中の意欲的な人々」があなたの仲間になって、ともに学ぶ…。そこで得られる経験と、あなた自身の成長を想像してみてください。
上智大学
画像提供:上智大学
学部
国際教養学部
Sophia Program for Sustainable Futures(SPSF): 新聞学科・教育学科・社会学科・経済学科・経営学科・総合グローバル学科
理工学部: 物質生命理工学科(グリーンサイエンス)・機能創造理工学科(グリーンエンジニアリング)
特徴
● 日本のグローバル教育のパイオニアとして国内で最も歴史が長く・知名度の高い英語履修プログラムを提供し、その権威を国内外で広く認められています。
● 英語の運用力を高め、分析力を磨き、理論的にアプローチする力を養う授業を始め、3つの専門分野「比較文化」「国際経営・経済学」「社会科学」を中心とした段階的プログラムを提供。
入試形式・出願/入試時期
4月入学2期募集および9月入学1期募集:11~12月
9月入学2期募集:3~4月
※4月入学1期募集はすでに終了
参 照:https://www.sophia.ac.jp/eng/admissions/ug_p/en_ug/index.html“When and How to Apply” より入試要項をダウンロードしてください。
<<大学からのメッセージ>>
国際都市の東京の中心で多様な文化背景を持った学生及びそれぞれの専門分野のトップランナーとして活躍している教員とともに学び、グローバル化した社会の一員として活躍できる能力をぜひ手に入れてください。
立命館大学
画像提供:立命館大学
学部
グローバル教養学部(College of Global Liberal Arts(GLA))
---オーストラリア国立大学(ANU)とのデュアル・ディグリー・プログラム---
立命館大学では、リベラルアーツの学びを通じて文理にまたがるさまざまな学問の基礎を体系的に身に付け、ANUではアジア太平洋地域の研究を深めます。
特徴
● 世界のトップ大学ANUと立命館大学の2キャンパスで学び、2つの学位取得へ。
● 未来をリードする課題発見力・解決力を養う次世代型「リベラル・アーツ」。
● 日本人学生と留学生がともに暮らすオンキャンパス寮。
入試形式・出願/入試時期
4月入学 : AO英語基準入試(①6月 ②8~9月)、帰国生徒入試(7~8月)、AO選抜入試(①9月 ②11月)
9月入学 : AO英語基準入試(①10月 ②12~1月 ③2~3月)
参 照:http://www.ritsumei.ac.jp/gla/admission/
<<大学からのメッセージ>>
ANUは世界大学ランキングでも上位に位置し、Politicsの分野においては世界第9位に位置します。このデュアル・ディグリー・プログラムでは、21世紀のグローバル市民に求められる幅広い教養を立命館大学で身につけ、卓越した研究力を誇るANUでアジア太平洋地域についての知識を深めます。3年次に1年間※、世界中から優秀な学生が集まるANUで学修し、グローバルな舞台で活躍する素養を身につけます。文化や言葉の違いを越えて世界の人々と協働する力、世界にイノベーションを生み出すことのできる力を育む環境が立命館大学にはあります。世界につながるあなたの未来は、立命館大学のキャンパスから始まります。
※9月入学の場合
在学生の声
東北大学
経済学部 2年
香川県立高松高等学校卒業
寄田 祐真さん
Q1. 「リベラルアーツ」を学んでの感想は。
文系・理系という垣根を越えて行われる東北大学のリベラルアーツ教育は、私に物ごとを多角的に見る力を与えてくれました。
Q2. 最も印象的な学びは。
Pythonによるデータ科学入門です。データの加工、処理、分析、可視化といったデータサイエンスの基礎を学びました。授業の最後には「新型コロナウイルス感染症に関係するデータ分析」という実践的かつタイムリーな課題が与えられ、データから価値を見出すために「どのようにデータを加工し、可視化すれば効果的であるか」といった思考力を磨くことができました。
Q3. 将来の進路への影響は。
学んだスキルは、データの分析や処理だけではなく、分野を越えて業務効率化にも役立ちます。将来どのような職業に就いたとしても、この経験は必ず生かせると思っています。
東京工業大学
環境・社会理工学院 博士課程 3年生
林 愛彩香さん
Q1. 「リベラルアーツ」を学んでの感想は。
東工大のリベラルアーツ教育を通じて、この学びの下準備は大変でありながらも、それが重要だということを学びました。
Q2. 最も印象的な学びは。
TA(Teaching Assistant)の経験が印象的です。主な仕事は、学部一年生のリベラルアーツ科目に参加し、少人数での議論のサポートでした。
TAを始めたばかりの頃は、議論を円滑に回すための技術を身につけようとしていましたが、議題に上がっているテーマに関して、背景などをしっかり理解していなければ、深い議論に導くことが困難であると分かりました。
Q3. 将来の進路への影響は。
「リベラルアーツ」での学びを通して、一つひとつのことを丁寧に学ぼうとする姿勢が身につきました。どのような進路に進もうとも役立つと感じています。
立命館大学
グローバル教養学部 3回生
イタリア国立アインシュタイン高校卒業
鈴木 公一朗 フェデリーコさん
Q1. 「リベラルアーツ」を学んでの感想は。
GLAでは、さまざまな国の文化、歴史、社会問題について多様なバックグラウンドを持った教員、学生がともに学んでいます。多様性のある環境だからこそ、より広く新しい視点で世界を探求し問題を解決する能力を身につけることができます。
Q2. 最も印象的な学びは。
授業中に行われるディスカッションです。 GLAでは1科目につき、講義とチュートリアルが1セットとなっています。積極的に参加することで知識が定着するだけでなく、多様な文化背景を持つクラスメイトの柔軟な発想や情報を吸収することが可能です。
Q3. 将来の進路への影響は。
これから益々グローバル化が進む社会において、国際的な知識、考え方、そして問いを立てる力を育む「リベラルアーツ」の学びは、変化し続ける世界に対して適応力のあるリーダーとなるために確実に役立つと思います。
DePauw University(米国)
国際アドミッションインターン担当 1年
茗溪学園高等学校 IBコース卒業
青山 和輝さん
Q1. 「リベラルアーツ」を学んでの感想は。
はじめはリベラルアーツ大学の、小規模なクラスで幅広い教養を学べるところに惹かれていました。今は、同じ目的を共有できる学生や教授、卒業生と繋がることのできる大学のコミュニティに感謝しています。
Q2. 最も印象的な学びは。
「ビジネスとリベラルアーツ」というゼミがとても興味深く、印象的です。授業では「資本主義の道徳」や「金の善悪」などといった「ビジネス関係」のテーマについて、交代制で学生が仕切って議論を展開しています。さまざまな視点を共有しながら自分の立場を確立できるので、とても面白く受講・参加しています。
Q3. 将来の進路への影響は。
価値観が変動する現代社会において、リベラルアーツが重要視する「適応力」は、自分のキャリアを形成するために欠かせないスキルであり、将来役に立つ力だと感じています。
編集後記 たとえば「貧困問題」を解決するためには、政治、社会、医学、教育などさまざまな分野の知識が必要となります。解決に向けて、問題に取り組む人たちそれぞれが専門分野が異なる人たちの叡智を結集させてこそ、恒久的な解決策が見出されるに違いありません。 米国では、ハーバードやコロンビアなど多くの名門大学が「リベラルアーツ」大学として始まったという歴史から、学部教育の根幹として位置づけられています。 今回ご紹介した通り、日本でも多くの大学が「リベラルアーツ教育」を取り入れています。持続可能な国際平和のためにも、今後さらに重要視されると考えられます。Springでは今後も注目して いきたいと考えています。 |
※2022年11月25日現在の情報です。最新情報は各機関に直接ご確認ください。