学校内外での活躍と継続的な努力が好成績に
啓明学院高等学校 3年
篠塚 政吾さん
6~12歳(小1~6) シンガポール日本人学校小学部クレメンティ校
小学1年生からシンガポールへ
私は、小学校に入学するタイミングでシンガポールに行きました。両親には「幼いうちは日本語で教育を受け、知識、思考力、国語力をしっかり身につけることが先決」という教育方針があったため、日本人学校を選びました。来星したばかりの私は友だち付き合いを始め、学校生活や異文化圏での生活など、全てゼロからのスタートで心細かったです。また、学校では帰国などによる友だちの入れ替わりが非常に激しく、人間関係の構築にも苦労しました。
日本人学校での充実した生活
学校では運動会実行委員や代表委員会(生徒会)で委員長を兼任していました。運動会では「クレっ子魂」というスローガンを提案し、当日は児童代表として挨拶もしました。学外ではボーイスカウトに所属し、ナイトハイクや日本人墓地清掃、キャンプや釣り、サイクリングなどの活動に参加していました。
英語の学習は、小学校低学年の頃は音読の練習や英語の絵本の読み聞かせだけで特に目標などはありませんでした。4年生で初めて英検4級を受けて合格し、その後、5年生時に準2級を取得しました。塾にはいったことがなく、全て家庭学習でした。
中学受験の準備と学校選択
日本から通信教育の中学受験コースをマイペースに取り組み、公開模試も自宅で受験していました。勉強に励む一方で習いごとや学校での委員会活動などは小学校卒業まで継続しました。また「子供の科学」や朝日新聞の「今解き教室」などの雑誌を毎月読み、楽しみながら教養を深めるようにしていました。
小学校の時は友だちの転出入が多かったので、長くゆっくり友情を育める中高一貫校に行きたいと考えていました。大学入試対策に力を入れるのではなく、探求など「本質的な学び」に力を入れている学校を探し、啓明学院中学校に興味を持ちました。シンガポールでの入試説明会に参加して、キャンプや駆け足などのプログラムと学術研究に惹かれたこと、そして自由で温かい校風が自分に合うと考え志願しました。
英語力向上と啓明学院での活躍
帰国後は英語のAdvanced Class(英語取り出し授業)で苦労し、シンガポールで十分な英語力を培ったといえないことに気づきました。その後、音声を聞きながら長文を音読するオーバーラッピングという手法でほぼ毎日語彙量を増やし、聞き取りや読みの早さに慣れるようにトレーニングをしました。そしてクラスで一番早く英検準一級を取得することができました。英検長文によく使われる社会問題や科学の話は、日本語でたくさん本を読んで基礎知識があったことが英語での理解の助けになったと思います。英検に必要なのは英語力というよりはむしろ国語力だと思いました。英語は努力をしましたが、国語や社会は得意で定期考査では苦労せず学年1位をとったこともあります。
啓明学院でも中学高校と生徒会役員や文化祭実行委員をしており、たくさんの先生方と授業以外での交流を楽しんでいます。先生方の人生の経験談をお聞きするのはとても楽しいです。将来の夢は、工学部に進みコミュニケーション能力とユーモアのあるエンジニアになることです。倫理的、経済的、政治的、社会的課題に対して先進技術で答えを出そうという野望を胸に秘めています。
海外で暮らす皆さんへのメッセージ
海外で豊かな経験をしている皆さんは、個性的で独創性のある考え方を持っているかもしれません。自分とは異なる多数派の価値観に押し潰されそうになることもあるでしょうが、そのような時は自分の信念を貫きながら周りと協調してバランスを取ることが肝要だと思います。どこの国にいても日本人としての知性やアイデンティティに誇りを持つことが大切だと思います。
お母さまより
教育に関して情報が溢れる時代ですが、周りに流されず煽られず、我が家にとってのベストは何かを考えながら子育てをしてきました。学校の先生方をはじめ多くの方々に育てていただいたと感じています。現在も自分自身に向き合い短所を克服しながら、目標や夢を見つけているようです。将来は感謝の気持ちで恩返しできるような大人になってくれたらと願っています。
2024年4月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。