昨年4月「シンガポールの12歳児のスマホ等使用時間は、毎日平均6.5時間」という調査結果がニュースを賑わせました。シンガポールの公立校では、スマホの学校持参は禁止されていません。そのため小学校高学年になると大半の子どもがスマホを持ち歩き、中学校では宿題や部活の諸連絡もSNSでなされるなど、「必需品」として認識されています。
各小学校では毎年全ての生徒に「携帯電話の校内使用許可申請書」が配られます。携帯電話を子どもに持たせる場合は「放課後、保護者と連絡をとる目的でのみ」「食堂または校舎の外でだけ使用すること」「授業時間中は電源を切ること」「写真や音声の録音は一切禁止」「規則に従わなかった場合、学校が携帯電話を一定期間没収することを了承」などの項目に全て同意して提出します。今年からは「スマートウォッチ」の使用についても同じルールが適用されました。
日本同様、当地でもゲーム依存やネット上のいじめなどが懸念されています。近年は授業や宿題でインターネットを使う機会も多く、教育省は「cyber wellness」の授業を年間15回程度行い、ゲーム依存や有害サイトの危険性、自分のアイデンティティを守る方法などの教育を全小中学校で義務付けています。スマホ使用の低年齢化が急速に進む中、このような「スマートユーザー教育」も低学年から行われているのです。国は変われども、スマホとの向き合い方は教育現場での課題です。