シンガポール公立学校の広場
日本の小中学校では近年、暑さ対策のためにエアコンの設置が進められています。しかし、常夏の国シンガポールの学校では、実はほとんどの教室にはエアコンが設置せれていません。防音のため窓を閉め切る音楽室や、機械の冷却が必要なコンピューター室などを除いて、エネルギー効率やコストを考慮して、一般の教室では窓を開けて自然換気をしながら天井の大きな扇風機を回すことで暑さをしのいでいます。また、子どもたちがエアコンに慣れてしまうことで暑さに対する耐性が弱まってしまうことも理由の一つに挙げられてきました。
しかし、地球温暖化の影響からシンガポールでも気温が35度を超える日が年々増えており、特に暑い日は生徒たちの集中力や体調に影響が出るとして、エアコンの設置を求める声も高まっています。これまで学校側は、暑い日には通常の制服ではなく、より涼しく速乾生地の運動着の着用を許可したり、体育や屋外のクラブ活動を暑い時間帯に禁止するなどして対策を取ってきました。さらにこの程、政府の方針として、暑さが厳しい日には自宅でオンラインなどで学習する「Home-based learning(HBL、自宅学習)」を行う可能性も明らかにしました。コロナ以降全ての学校で定期的に行われているHBLですが、今後さらに暑さによるHBLが増える見通しに対して、保護者たちからは、「その場合は保護者も自宅勤務にしてもらわないと困る」といった声も上がっており、実施にはさまざまな考慮が必要になりそうです。
2025年6月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。