グローバル教育
この人からエール ローラスインターナショナルスクール・オブ・サイエンス 理事長 日置 清巳 氏 学園長 日置 麻実 氏

イノベーターを育てる ローラス25年の 軌跡と未来

ローラスインターナショナルスクール・オブ・サイエンス
理事長 日置 清巳 氏 学園長  日置 麻実 氏

はじめに

本校の設立は、理事長と学園長がかつて欧州で過ごした日々の体験から始まります。学園長は、娘が通ったオランダのインターナショナルスクールで大きな衝撃を受けていました。そこでは多国籍の子どもたちが自在に英語を操り、活発に学び遊んでいたのです。大学で英語を専攻した自分よりも、英語環境の中に身を置く子どもたちの方が英語を「真の道具」として機能させていたからです。「環境こそが教育である」と確信し、日本でのインターナショナルスクールの開校を決意しました。外資系金融機関の第一線で活躍していた理事長は、イギリスやオランダでの勤務、そしてアメリカ留学を通じて、日本人が英語力の不足によって国際舞台で大きな損失を被っている現実を目の当たりにしました。「このままではいけない」という危機感が、教育の道へ進む原動力となったのです。

当初は英会話学校からスタートしましたが、週数回の通学では「真の習得」に限界があることを実感しました。そこで、生活そのものを英語で行うプリスクール、そしてインターナショナルスクールへと展開を広げました。ダイバーシティに満ちた環境で、子どもたちが自然に英語を身につけ自らの意見を発信する姿を見て、この教育を高等部まで繋げることにしたのです。

現在、本校が目指すのは単なる語学教育を超えた「イノベーターの育成」です。日本唯一の「サイエンス・インターナショナルスクール」として、STEM(科学・技術・工学・数学)教育を軸に据え、「ケンブリッジ国際カリキュラム」を導入しています。子どもたちは、幼少期から実験や探究型学習を通じて「サイエンス思考」を養い、学年が上がるにつれプログラミングや起業家精神までを深く学んでいます。

不確実な時代においては、自ら問いを立て、創造力と論理的思考で未来を切り拓くことが求められます。世界と社会にポジティブな貢献ができる人材を送り出すため、私たちは情熱を持って生徒一人ひとりの可能性を広げていきます。

「英語×サイエンス」で好奇心を「世界を変える力」に

本校が日本で唯一の「サイエンス・インターナショナルスクール」として歩む理由は、現場で子どもたちを見つめ続けてきた学園長の気づきでした。まだ日本に「プリスクール」という概念が浸透していなかった頃から教育の場を作り、幼児教育にサイエンスを導入した際、子どもたちの劇的な変化を目の当たりにしたのです。サイエンスは子どもたちの好奇心と集中力を最大限に引き出すこと、そして、単に英語を学ぶのではなく理数的発想を育むことで、教育効果は飛躍的に高まります。まさに「サイエンスこそが人類の未来を切り拓く」と確信したのです。また、理事長の長年のグローバル経験から、学びの目的は英語ではなく、それを使って「何をするか」が重要という確固たる想いがあります。英語そのものを目的にしてしまう教育には限界があります。だからこそ、子どもたちの将来を考えた際、強みとなる「サイエンスのバックグラウンド」をカリキュラムの中心に据えたのです。

「英語×サイエンス」の相乗効果を最大化させているのが、最新鋭の施設と各分野のプロフェッショナルである教員陣です。少人数精鋭の環境の下、「ケンブリッジ国際カリキュラム」を基盤としたプロジェクト型学習(PBL)や探究型学習を通じ、生徒たちは国際標準の力を身につけていきます。

問いを立て社会を実装する「真の知性」

日本の教育は、基礎学力の定着や科学・数学のレベルにおいて世界的に高く評価されています。しかし、与えられた問題を解く力は高い一方で、自ら問いを立て想像する力が不足しているとも感じています。ノーベル賞受賞者を多数輩出する科学大国でありながら、その研究が社会を良くするための「実装」まで繋がりにくい現状があるなら、本校はそこを打破したいと考えています。

そのために、本校では「ケンブリッジ国際カリキュラム」と、独自の「イノベーター・プログラム」の2つを展開しています。世界標準のアセスメントで着実に基礎を積み上げつつ、STEMとアントレプレナーシップ(起業家精神)を通じて非認知能力を高めていきます。なかでも特徴的なのが「エンジニアリング・デザイン・プロセス」の導入です。問題提起から計画、作成、テストを繰り返すこのサイクルにおいては、「失敗」は単なるプロセスの一部に過ぎません。「失敗は成功するためにある」というマインドセットが、世界と戦うための自信へとつながっていくのです。

英語はインターネット上の情報の6割以上を占める「共通語」であり、勝負の土俵に立つためのデフォルト(標準装備)です。英語を強みに、サイエンスやテクノロジーの力で社会課題を解決し、ベンチャーを立ち上げるようなイノベーターを日本から送り出したい、という本校の願いは教育という枠を超え、日本、そして世界の「未来を創る挑戦」へと繋がると信じています。

情熱を加速させる「子ども中心」の学び 

本校の教育の根幹にあるのは、徹底した「子ども中心」の視点です。「何がやりたいのか」「情熱はどこにあるのか」を問い続け、個々のポテンシャルを最大限に引き出しています。その象徴的な姿が、STEM分野での活躍です。サイエンスに対して強い情熱を持つ生徒が多く、海外のコンテストに自ら応募して金賞を受賞するなど、その知的好奇心は教室の枠を軽々と超えていきます。生徒の大半が将来的に海外での挑戦を志していることも、自立した精神の表れと言えるでしょう。 

こうした個々の才能を伸ばすために、「決めつけない教育」を徹底しています。例えば、授業態度が少し良くない子がいたとしても、それはその子には内容が簡単すぎて退屈しているだけかもしれません。特に数学などの分野では、特定の才能が突出しているケースが多々あります。その場合、本校では卓越した数学力を持つ生徒には授業中に独自の課題に取り組ませながら、教師が進捗をサポートするなど、柔軟な体制をとっています。社会性や友情を育む大切な時期だからこそ、単に学年を飛級させるだけが正解ではありません。学年はそのままで「子に応じた放任と後方支援」が、突出した才能を枯らさずに伸ばすコツだと信じています。   創造力やパッションは、型にはめられた環境からは生まれません。一人ひとりの「好き」や「得意」をプロフェッショナルな教師陣が拾い上げ、プロジェクトベースの学習を通じて形にしていきます。その自由かつ妥協のない環境こそが、世界に羽ばたくイノベーターを育む土壌となっているのです。

「自分の人生の主役」として起業家精神を育む

本校は小学1年生から「起業家教育」を取り入れています。なぜなら、起業家精神こそが「自分の人生の主役は自分である」という自律心に直結すると考えているからです。大切なのは自分がパッションを持てることに取り組み、自ら価値を生み出し、対価を得る経験を厭わないことです。

実践の場としては、毎年「アントレプレナー・イノベーション・フェア」を開催しています。今年は「サステナブルな玩具とゲーム」をテーマに、子どもたちがグループで製品を企画・制作しました。優れたプランには実際に資金が提供されることもあり、教育の枠を超えた「本物の挑戦」が繰り広げられています。座学で学べることには限界があり、資金調達の厳しさや経営の難しさは、実際に動いてみなければ分かりません。本校では実践することを積極的に促しており、実際に、中学生でクマのアートを販売する会社のCEOになった生徒もいます。こうした経験を通じて育まれるのは、単に会社を作るスキルではなく、課題を見つけ、人を巻き込み、形にするまでの不屈の精神です。「失敗を恐れず自分のアイデアを世に送り出す」という起業家教育を通じて、生徒たちは不確実な社会を生き抜くための、揺るぎない自信と実行力を身につけていきます。

海外で暮らすご家族へのメッセージ

海外での生活は、言葉では言い尽くせない苦労もありますが、それ以上に得難いチャンスに満ちています。皆さんには、ぜひ日本を「外から見る」視点を養っていただきたいと思います。日本国内だけにいると、目の前の環境が世界の常識だと思い込んでしまいがちです。しかし、一度外へ出れば、日本の良さも課題も客観的に見えてきます。せっかくの機会ですから、現地の文化や価値観を存分に吸収してきていただきたいと感じます。本校が帰国子女を歓迎しているのも、そうした多様な視点を持つ子が加わることで、学びの場がより豊かになると確信しているからです。

ご家庭では「子どもに自分で決めさせること」が大切だとお伝えします。私どもはかつて仕事に追われ、子どもを少し「ほったらかし」にしてしまった時期がありました。しかし、それによって子どもは自分でパンケーキを焼きお腹を満たす方法を考え、実行する力を身につけたのです。親がすべてを先回りするのではなく、あえて余白を残すことが、実社会の知恵を育むのではないでしょうか。大変なことも含めて今の貴重な機会を十分に楽しんでください。世界という教室で多様な価値観に触れ、自分の力で生きていく力を養ったお子さんたちと、ともに未来を語り合える日を楽しみにしています。

日置 清巳(ひおき きよみ)氏

早稲田大学法学部卒業後、大和證券や外資系投資会社で証券アナリスト、海外株式営業、投資銀行業務、機関投資家業務を歴任。イエール大学経営大学院でMBAを取得。ローラスインターナショナルスクール・オブ・サイエンスの理事長。

日置 麻実(ひおき まみ)氏

上智大学外国語学部英語学科卒業。外資系投資顧問会社勤務を経て、自身のヨーロッパでの海外在住経験から2001年起業。ローラスインターナショナルスクール・オブ・サイエンスの学園長。

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2026年6月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

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