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「アメリカ編」「イギリス編」に続き、今回は「カナダ編」をお届けします。主要先進国の中でも積極的な移民政策をとってきた多民族国家カナダには、アメリカのアイビーリーグやイギリスの伝統校にも引けを取らない高い教育水準を誇る大学が数多くあります。質の高い教育と多様性に富んだ学習環境を求めて、世界中から優秀な学生が集まるカナダ。その大学教育の魅力について、ぜひこの機会にご一読ください。
第1回入門編 はこちら
なぜ、カナダの大学なのか

多文化共生を国の理念の一つとして掲げるカナダは、世界有数の留学先として知られています。質の高い教育と国際色豊かな学習環境を兼ね備えたカナダの大学は、北米はもちろん、グローバルな舞台で活躍したい学生にとって魅力的な進学先となっています。
● 世界トップレベルの教育・研究
多くのノーベル賞受賞者を輩出し、工学や人工知能(AI)分野をはじめとする先進的な研究と高水準の教育を提供している。
● 高い国際的評価
北米における評価が高く、卒業後のグローバルなキャリア形成や大学院進学にもつながりやすい。
● 充実したCo-op制度
在学中から現地企業での有給就業を経験できる「Co-op(コープ)プログラム」が充実している。
● 卒業後のキャリア支援
卒業後の就労ビザ制度などが整備されており、留学生にも就職の機会が開かれている傾向がある。※
● 比較的抑えやすい留学費用
アメリカの大学と比べて、学費や生活費を比較的抑えやすい。
● 英語で学べる環境
フランス語圏であるケベック州にも、英語で学べる大学がある。
● 暮らしやすい環境
世界第2位の広大な国土を有し、豊かな自然環境と比較的良好な治安に恵まれている。
※ビザ制度や就労条件は変更される場合があります。最新情報は各大学および関係機関にご確認ください。
大学の種類と特徴
質が高い公立大学
カナダの主要大学の多くは公立(州立)大学であり、国や州からの手厚い財政支援を受けています。そのため、全国的に高水準の研究・教育環境が整備されており、世界大学ランキングでも多くの大学が上位に名を連ねています。 カナダのトップ3大学として知られるのは、「北のハーバード」と呼ばれるトロント大学やマギル大学と、そこから分化したブリティッシュ・コロンビア大学が挙げられます。歴代の首相を輩出してきた伝統ある名門大学や、「カナダのシリコンバレー」と呼ばれるITや工学が盛んな地域にある大学など、それぞれが特色ある教育・研究を展開しています。
参考:代表的なカナダの大学ランキングはこちら
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カナダが世界に誇るトップ3大学
■ トロント大学(University of Toronto)
AI・生命科学の世界的拠点/伝統のカレッジ制
環境 | カナダ最大の経済都市トロントに3キャンパスを展開。英国式の学寮(カレッジ)制が特徴。 |
強み | 生命科学やディープラーニング分野で世界をリード。論文引用数は世界トップクラス。全学生の約30%が留学生。 |
■ マギル大学(McGill University)
カナダ最古の名門/屈指の医学・理工学

環境 | フランス語圏の文化が息づくモントリオールにある。フランス語だけでなく、英語でも学べる伝統校。治安も良好。 |
強み | 医学・生物学・工学などの博士課程に極めて強く、カナダ・教育メディア『Macleans』の大学ランキング(医学・博士課程部門)で長年にわたり高評価※。全学生の約32%が留学生。 |
■ ブリティッシュ・コロンビア大学 (University of British Columbia)
北米屈指の国際性/温暖で快適なキャンパス
環境 | 気候が温暖で住みやすいバンクーバーと、近年IT産業が急成長しているオカナガンにキャンパスを展開。 |
強み | カナダ西部最大規模。「北米で一番国際的な大学」と称されるほど、多様性に富んだ環境。全学生の34%が留学生。 |
出願書類・資格
カナダの大学は、日本をはじめ世界各国の高校の卒業資格を認めています。国際バカロレア(IB)や国際A-Levels、アメリカのAPなども広く受け入れています。アメリカの「Common Application」やイギリスの「UCAS」のような「複数大学を出願する共通プラットフォーム」は存在せず、各大学の募集要項に従って個別に出願します。
● 高校の成績 (日本の高校の評定平均、各国のGrade Point Average:GPA)
● 国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)の成績
● 国際A-Levelsの成績
● アメリカのアドバンスト・プレイスメント(AP)の履修・試験結果
● アメリカの外部学力試験SATやACTのスコア(必須でない場合が多い)
● 志望する専攻に関係する科目の履修状況や成績
● TOEFL、IELTSなどの英語資格試験(留学生は必須のことが多い)
● 志望理由書やエッセイ(大学・学部によって提出の有無や内容が異なる)
各大学が合格者の 平均GPAや最低基準を 公表していることもあるため、 ウェブサイトで確認しよう!
カナダでは、英語力や学力面に不安がある場合は2年制大学(カレッジ)から4年制大学へ編入するルートを選択することも可能です。さらに、アメリカなどカナダ国外の大学からの編入(トランスファー)を受け入れている大学もあります。
出願・合格までの一般的なスケジュール
高校 | 1年(G10、Year11)~ |
| 志望大学の分野(プログラム)を検討し、 高校で学ぶ科目などを選択 | |
| 高校3年(G12、Year13)夏まで | |
| 英語資格試験や外部の学力試験の受験、 日本の高校の評定平均算出、APのスコア、Aレベル IBDPの模擬スコアなど 出願開始:10月ごろ 出願締切:12月~翌3月ごろ(大学による) | |
| 早めに出願すると、 早めに合否結果がわかる場合がある。 合格率と奨学金獲得の可能性を上げるため、 早期出願が推奨される。 |
奨学金など
カナダの大学への進学を目指す学生にとって、奨学金制度は大きな支援となります。日本では、柳井正財団海外奨学金※が知られています。これまではアメリカとイギリスの大学進学者が対象でしたが、2026年度入学者からはカナダの大学(トロント大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学)への進学者も新たに支給対象に加わりました。
※対象大学などの詳細は変更される可能性があります。最新情報は直接ご確認ください。
| カナダの各大学が設けている奨学金には、次の2種類があります。 ❶ 成績や目覚ましい実績などが条件(メリット・ベース) ❷ 経済的な理由が条件(ニード・ベース) |
奨学金によって「留学生が応募できるかどうか」「1年次のみの支給か」「卒業まで更新可能か」などの条件が異なります。志望大学のウェブサイトで最新情報を確認しましょう。 カナダの大学では、履修計画によっては4年制の大学でも、3年間で修了できる場合があります。早期卒業によって学費や生活費を抑えられる可能性がありますが、学業負担が大きくなるため、十分な計画のもとで検討することが大切です。
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実際に高校では、大学進学に向けてどのような取り組みをしているのでしょうか。
進路指導の先生に聞きました
Canadian International School(CIS)
(シンガポール)
University Advisor Aaron Mayo 先生
■高校3年間の過ごし方
CISの卒業生は世界500校以上の大学へ進学しています。カナダの大学※に出願する生徒は多く、約20%が合格しています。
※トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学、マギル大学、マクマスター大学など、著名なカナダの大学に合格。
本校では、以下のようなサポートを通じて、生徒一人ひとりの進路実現を支援しています。
● 経験豊富な大学進学カウンセラーによる個別指導のもと、自身の強みや将来にあった進路を検討
● 早期からの計画的な進路指導を通じて、目標や適性に応じた科目選択と学業面の強化 本校で提供しているIBやAPは幅広く深い学びとして世界的に認知されており、大学によっては履修単位として認められます。
将来を見据えた進路計画は、早ければG10から始めます。特にカナダの大学は学業成績を重視する傾向があり、工学、ビジネス、コンピュータ・サイエンス、生命科学など競争率が高い専攻分野に出願する際は、高度な数学や科学の知識が前提条件となるのが一般的です。そのため、G10~12における「科目選択」は、大学進学の可能性を大きく左右する重要なステップとなります。
また、大学は学業成績だけでなく、生徒が学校生活の中でどのような経験を積み、どのように成長してきたかにも注目しています。各活動は「大学で学ぶ準備ができていること」を示すだけでなく、協調性や主体性、困難を乗り越える力(レジリエンス)、タイムマネジメント能力などを育む貴重な機会となります。
■ 奨学金について
各大学の奨学金選考においては、学業成績に加えリーダーシップ活動やボランティア、研究活動や芸術、スポーツ分野での実績が重要な要素となります。日頃から主体的にさまざまな活動に取り組み、自身の強みを育んでおくことが、奨学金獲得の可能性を広げることにつながります。
■ カナダの大学を志望する生徒とご家族へのアドバイス
出願準備において忘れてはならないのは、「出願書類は人間が読んでいる」ということです。競争率の高いプログラムや奨学金への応募においては、自分の強みや可能性を的確にアピールすることが求められます。ぜひ、早い段階から計画的に準備を進め、細部にまでこだわって出願書類を仕上げていきましょう。
また、合格通知を受け取った後は、できる限り早く就学許可(スタディ・パーミット)の手続きを開始することをおすすめします。手続きには最大で4ヵ月かかる場合があるため、余裕を持った準備が大切です。 最後にお伝えしたいのは、「第一志望だけに固執しすぎないこと」です。柔軟な視点で複数の選択肢を検討することで、当初は想像していなかった大学が最良の選択となることも少なくありません。

Global Indian
International School (シンガポール)
Professional University Counsellor Seema Kaushik 先生
■5年間にわたるロードマップ
大学進学準備は、長い年月をかけて多方面に関係するプロセスでもあります。本校ではG8~12を対象に「自己発見」「学業計画」と合わせて、段階的に大学進学準備を進めています。
G8~10「自己発見」と「活動への参加」
● 「自分の強みや興味?」「将来の志は?」と自問しながら、進路指導の先生と「今までの振り返り」を行う
● 目標に合った課外活動に参加し、自分のプロフィールを構築する
G8~10「自己発見」と「活動への参加」
● 志望校の絞り込みやエッセイ準備・面接対策など
● 履修科目と出願書類の整合性も確認
● 大学フェアや専門家によるセッションに参加
● 卒業生の座談会や世界中の教育機関との交流
■ カナダの大学の特徴
学生は通常、最初から特定のプログラム(商学、工学、コンピュータサイエンス、生命科学など)に直接出願するのが一般的です。専攻を決めずに入学し、その後に専攻を選択することが多いアメリカのリベラルアーツ教育とは異なり、早い段階から専門分野に沿った学びを進めることができます。また、成績優秀者を対象としたメリットベースの奨学金については、特別の手続きを必要とせず、出願時点で自動的に審査対象とになる大学もあります。
カナダの大学は、アメリカよりも学費や生活費を抑えやすい一方で、教育・研究の質が高く世界的な大学ランキングでも上位にランクインしています。卒業後の就労許可や永住権取得への道筋が比較的明確であることも、留学生にとって大きな魅力です。
留学生に人気の大学としては、トロント大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、マギル大学、ウォータールー大学、アルバータ大学などが挙げられます。中でもウォータールー大学などでは、在学中に学業と有給の実務期間を交互に行う充実した制度で知られ、在学中から実践的な経験を積めることから高い評価を得ています。
■カナダの大学を志望する生徒とご家族へのアドバイス
本校では、中国出身でG9から編入した生徒がトロント大学からの奨学金を受けて進学した実績があります。英語が母語ではない生徒であっても前向きな姿勢で努力を重ね、適切な進路指導やサポートを受けることで、世界的な名門大学へ奨学生として進学できることを示す好例と言えるでしょう。
カナダの大学進学を目指す上では以下の点を意識することが重要です。
● 日々の学習と継続的な英語力強化
● 進路指導カウンセラーとの面談を通じた自己分析
● 自分の強みを表現する自信の育成
カナダの大学の魅力を聞きました。
ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)公式留学エージェントに 取材しました。
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UBC公式留学エージェント
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カナダ進学カウンセラー 渡辺 杏奈 さん
🆀 カナダで学ぶ魅力を教えてください。
🅰 多くが公立(州立)大学で、世界的にも高い教育水準を誇ります。また、治安が比較的良く多様性を尊重する文化が根付いているため、留学生にとって安心して学ぶことができる環境が整っています。 さらに、卒業後のキャリアにつながる制度が充実していることも大きな魅力です。
一定条件を満たした大学を卒業すると、最長3年間の就労ビザ(PGWP)を取得できる可能性があり、現地での就労経験を積むチャンスがあります。また、多くの大学で有給インターンシップ制度(Co-op)が整っており、在学中から実践的な経験を積めるため、グローバルなキャリアを目指す学生にとって魅力的な環境です。
🆀 新入生・留学生のサポート体制は
🅰 北米の中でも特に国際色豊かな大学として知られるブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)では、新入生・留学生が安心して大学生活を始められるよう、さまざまなサポート体制が整っています。 1年生には学生寮が確約されており、寮では上級生のスタッフが生活面のサポートやイベント企画を行っています。そのため、初めての海外生活でもコミュニティに馴染みやすい環境があります。 また、教授に質問できる「オフィス・アワー」やチューター制度、ライティング・サポートなど学業面の支援も充実しています。さらに、夜間の付き添いサービス「SafeWalk」に加え、2026年にはキャンパス内に緊急医療に対応できる医療施設が新設され、留学生が安心できる環境が一層整いました。
🆀 日本人の高校生やご家族へのメッセージ
🅰 海外大学進学は、「英語が得意な人だけの選択肢」と思われがちですが、実際には多くの学生が不安を抱えながら挑戦しています。 カナダは留学生へのサポートが充実し多様な価値観を受け入れる文化があるため、日本人学生にとっても挑戦しやすい進学先でと言えます。 また、Co-opやPGWPなど、学びと将来のキャリアをつなげる制度も整っていることも大きな魅力です。将来的に海外でのキャリア形成を視野に入れている方には、ぜひ検討していただきたい進学先です。 まずは、日本や各地で開催されるUBCスタッフによる説明会やワークショップに参加するなど、気軽に情報収集から始めましょう。
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カナダで学ぶ日本人学生に聞きました
トロント大学
Aさん
シンガポールのインターナショナルスクール、日本の中学校を経て、アメリカのボーディングスクール卒業。
私はアメリカの大学と併願していたため、アメリカの外部学力試験などを活用して出願しました。新入生は7つのカレッジに配属されるため、各カレッジの特徴を把握しながら出願先を決定しました。
| 中学3年 | 日本で課外活動開始。 日本国内のコンテストに応募・受賞。TOEFL受験開始。 |
| Grade10 | 大学リサーチ開始、アメリカの高校でAP科目選択を検討、 ACT・SAT模擬試験受験、ACT受験開始。 校内・校外の研究開始。 |
| Garde11 | AP受験、最終のACTとTOEFL受験。 |
| Grade12 | 合格したいくつかの大学のうち、最終候補3大学を見学。 |
■ 大学生活
トロント大学では2年次に専攻登録が行われるため、希望するメジャー(専攻)やマイナー(副専攻)の履修要件を確認した上で1年次の科目選択を行い、必修科目の成績基準を満たすように努めました。 大学のウェブサイトには「Career & Co-Curricular Learning Network」というプラットフォームがあり、学内の求人やボランティアなどの情報が幅広く提供されており、インターンシップなどを探すときに役立てています。3~4年生が優先されることが多いため、学外でのインターンシップなども積極的に応募するようにしました。
カレッジに併設する各学寮は、規模や施設、イベント内容やミールプラン(食事)の有無などが異なります。キャンパス周辺にはスーパーやアジアの食材店もあり、自炊しやすい環境である点を気に入っています。
■ 海外大学を検討している皆さんへ
カナダの大学は課外活動よりも成績を重視する傾向があります。そのため、高校での成績を上げることを最優先にすると良いと思います。私の場合、模擬スコアがSATよりもACTの方が高かったため、ACTを複数回受験し一番良いスコアを提出しました。受験学年はとても忙しいため、外部試験は最終学年の夏前までには終えられるように計画すると良いと思います。

次回は「奨学金編」です。 どうぞお楽しみに。
あわせてご一読ください
英語で学士を取れる日本の大学
Studying in Japan
2026年6月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

























