学校・幼稚園コラム
第54回 小学校の入学選抜に改革の波

シンガポール公立学校の広場

シンガポールのローカル小学校はすべてが「公立校」ですが、伝統的な人気校、いわゆる「エリート校」と言われる学校も多く、中には「孟母三遷」の如く、子どもに通わせたい学校の近所に引っ越す家庭も多く見られます。公立校のはずなのに、学校間でなぜこのような差があるのでしょうか。 


理由の一つは、歴史的な成り立ちから中学校や高校との系列関係がある小学校では、系列の中学校に優先的に進学できる「小学校卒業試験(PSLE)への加点制度」があるためです。特に進学校として知られる中学や、高校までも系列がある小学校は必然的に人気が高く入学希望者が殺到します。地理的な学区の制限がないことも背景の一つです。  とはいえ、日本の小学校の「お受験」とは異なり、入学選抜においては試験や面接などは行われず、「在校生に兄弟姉妹がいるかどうか」「親または兄弟姉妹が卒業生かどうか」「親が学校の職員か」「その学校でボランティアをしてきたか」などの条件で優先順位が決まります。  学校間の「人気格差」を解消するべく、教育省では長年「Every School, a Good School 」などの標語を掲げてきましたが大きな変化が見られず、遂に今年1月デズモンド・リー教育大臣は、公立小学校のこれらの入学選抜の条件について「学校内の多様化のさまたげとなっており、全ての学校にさまざまな背景の子どもが通えるように改革を行う」と発表し、大きな波紋を呼びました。改革の詳細はまだ発表されていませんが、多様化と公平性に向けて、その成り行きには注目が集まっています。

2026年6月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。

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